イ・スホ 常務取締役(工学博士)
特許経営活動の5つのポイント
○ 特許が研究開発の有用なツールであることに注目する。○ 企業活動の三本柱は「経営・研究開発・特許」である。○ 人的・技術的ネットワークを拡大する機会となる。○ 「コストがかかるだけ」という認識を改める。○ 政府の支援政策を積極的に活用する。
特許の歴史は意外と古い。紀元前600年頃のギリシャでは、「シバス料理」を開発した者に1年間の独占権が与えられたとされる。また、1624年のイギリスの専売制度を起源とする説もある。体系的な特許法としては、1790年にアメリカ、1885年に日本が採用した。韓国では、1908年に大韓帝国の特許令が制定され、1946年に韓国特許法が成立した。
しかし、その長い歴史にもかかわらず、特許の重要性が一般人や多くの企業にとって十分に認識されてこなかったのが現実である。特に最近のサムスンとアップルの特許紛争は、特許が現代産業において極めて重要であることを示す出来事となった。それでも、サムスンのような大企業や一部の専門企業を除き、多くの企業は特許を活用した付加価値創出に課題を抱えている。
「特許と企業経営は切り離せない関係にある」という命題は正しい。ただし、「どのように活用するか」が重要である。では、企業が特許活動をどのように経済的価値向上に結びつけることができるのか?
まず、特許の最大の利点は、研究開発のツールとして有用であることにある。特許制度の意義は「私益と公益の共存」にあり、発明者に一定期間の独占権を付与することで、技術の利用と発展を促進する。公開された特許を分析することで、技術の流れを読むことができる点を理解することが、特許活動の出発点となる。
次に、特許は経営・研究開発と並ぶ企業経営の重要な柱であると認識すべきである。市場の防衛手段としてだけでなく、新技術の獲得や市場創出のための強力なツールとして活用できる。
さらに、特許活動を通じて人的・技術的ネットワークを広げることができる。競合の技術を分析し、対応策を考える過程で、多様な専門家との交流が生まれる。
また、特許が「コストばかりかかる」といった誤解を解消することも重要である。
最後に、政府の特許支援政策を積極的に活用することで、企業の競争力向上につなげるべきである。
特許は企業経営において選択ではなく必須である。特許戦略を経営に取り入れる企業は、市場での立場を確実に広げていくだろう。

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