私たちは時々、永久機関を発明したというニュースを目にすることがある。 しかし、韓国では永久機関や無限動力装置に関する特許出願が177件公開されているが、その中で正式に登録された特許は1件もない。これは、韓国特許庁(KIPO)が「産業的に利用可能性がない」という理由で登録を認めないためである。 ほとんどの出願技術は、振り子や磁石を利用して外部からのエネルギー供給なしに持続的な回転力を生み出すと主張している。しかし、回転体は摩擦力を伴うため、「エネルギー保存の法則」により回転力が徐々に減少し、最終的には停止する。これが特許拒否の主な理由である。 現在の科学的知見に基づけば、これは明らかな事実である。 永久機関(perpetual-motion machine) は、外部から一度動力を受けると、それ以降は追加のエネルギー供給なしに 永久に動作し続けて仕事を行う仮想的な装置 と定義される。 ある装置を永久機関と呼ぶためには、以下の条件をすべて満たす必要がある。
では、現在の科学でも証明可能な無限動力装置の発明は不可能なのだろうか? 必ずしもそうではない。 もし摩擦やエネルギー変換による損失を補うエネルギーを 追加コストなしに外部から供給できる のであれば、話は変わる。その追加可能なエネルギーには、風力、波力、海水温度差発電、塩分濃度差発電、太陽光などの再生可能エネルギーと呼ばれる自然の力がある。しかし、問題はこれらのエネルギーを 安定的に獲得することが極めて難しい という点である。この課題を解決できれば、永久機関の発明が不可能とは言い切れない。 つまり、「外部からエネルギーを供給されない」という永久機関の定義を「経済的コストをかけずに稼働する」と拡張すれば、実現の可能性はあるという点に注目すべきである。 エネルギー効率を考慮しない発明は、発想の拡張という意味では価値があるかもしれないが、産業的な利用価値とはかけ離れており、特許として認められることも非常に困難である。 多くの発明家は永久機関の研究にのみ、あるいは再生可能エネルギーの研究にのみ集中しがちだが、この2つの技術を融合させることで相乗効果を生み出す可能性についてはほとんど注目していない。ここで必要なのは、視点の転換である。 発明や特許は 理論や理想の実現ではなく、産業的な視点から見た経済的価値の創出が最終的な目標となる のである。 |
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