[インタビュー][ウィークリーピープル] 黄成弼弁理士、世界の灯を照らす見えざる手

ク・ジェフェ、チャン・ドクジン記者 – 世界の灯を照らす見えざる手

黄成弼（ファン・ソンピル）弁理士、万成国際特許法律事務所

先端科学技術の時代が到来し、知的財産の創出および保護における弁理士の役割がますます重要になっている。弁理士は特許出願戦略を策定し、専門的な特許関連の紛争解決を主導する。正当な権利を守ることを職業倫理として実践する弁理士は、国家の成長エンジンとして重要な役割を担っている。先進国における技術保護主義の強化により、国際特許出願の事例が増加しており、それに伴い国際的な特許紛争も増えている。そのため、多様な外国語能力だけでなく、時代の流れを読み取る洞察力を持つ弁理士の必要性が高まっている。そうした中、万成国際特許法律事務所の黄成弼（ファン・ソンピル）弁理士に話を聞いた。

取材：ク・ジェフェ記者、チャン・ドクジン記者 / 文：チャン・ドクジン記者（news@weeklypeople.net）

本分に忠実な良きパートナー

黄成弼弁理士は、国内外のブランド、コンテンツ、特許、ノウハウに関するライセンスおよびコンサルティング分野の専門家として活動している。国内外の商標関連の異議申立、無効審判、取消審判、権利範囲確認審判、審決取消訴訟、最高裁判所への上告案件を担当している。また、国内外の著名なデザイン・特許に関する無効審判、仮処分、侵害訴訟などの紛争案件も手掛けている。さらに、スタートアップ企業向けの起業コンサルティングも行っている。

彼は、弁理士がライセンス業務とコンサルティング業務を両立するためには、クライアントのビジネスを実際に理解することが重要だと語る。つまり、クライアントをサポートするためには、専門分野に関する基本的な知識と実践的な経験を積み、それをクライアントの成功につながるコンサルティングへと発展させる必要があるという。

「専門家は、そんなに頭が良い必要はありません。弁理士をはじめ、弁護士や会計士などの専門職は、世界を変えるアイデアと情熱を持つ若者たちをサポートすることが重要です。創造力と情熱を持つ若者たちは、公務員試験の勉強ではなく、起業を目指すべきです。しかし、韓国では高校で最も優秀な生徒が法律学部や医学部に進学し、公務員試験の準備をします。こうして成長した専門家たちは、既得権益を守るための法律を作ることに集中してしまい、本来の目的を見失うことがあります。このような逆転した状況を見るたびに、残念な気持ちになります。」

彼は専門家だけでなく、社会の構成員がそれぞれの立場で自分の役割を正確に理解し、その役割に忠実であるとき、社会は一歩前進できると語る。これは、彼が音楽アルバムやミュージックビデオを制作していた経験から生まれた考えである。

「舞台の上で注目を浴びることも大切です。しかし、自分が注目を浴びることができない場合、誰かが注目を浴びるようにすることも重要です。芸術を創作する人は常に空腹である覚悟が必要であり、自分の信念を最後まで貫くべきだと思っていました。音楽アルバムやミュージックビデオを制作しながら、幸せな瞬間も多くありましたが、長期的に見たときにこれは自分の歩むべき道ではないと感じました。私よりも優れた方々がたくさんいることに早く気づいたのです。結局、アーティストのような創作者をサポートできる職業は何かと考えたとき、彼らの知的財産を保護できる弁理士という職業により興味を持つようになりました。」

彼が弁理士としての本分を忠実に果たせるのは、自分の不足している部分を認識しているからではないだろうか。やりたいことをするのも重要だが、自分の性格を考慮して、自分が得意とすることを見つけることの重要性も無視できない。音楽プロデューサーから弁理士へと転身するまで、彼の歩んできた道は、自分に最もふさわしい服を見つける過程であったのだ。

速度と同じくらい重要なのは方向

黄弁理士は、質よりも量を重視してきた韓国の特性が、急速な経済成長の原動力となったのは事実だが、持続可能な技術開発においては短所として作用していると語る。例えば、十分な技術動向調査や研究開発（R&D）を行わず、分野に関する不十分な知識のまま弁理士に特許明細書の作成をすべて依頼するケースがあるという。つまり、焦るあまり権利範囲が非常に狭い近視眼的な特許を出願するケースに対して、常に警戒する必要があると述べる。

「韓国は結果志向的であるため、目標を達成する速度が非常に速いです。しかし、その裏には明確な短所も存在します。私が弁理士をしながら感じたのは、事業アイデアを持ってくる方々のほとんどが成功だけを急ぎ、特許登録だけを重視し、自分の特許請求範囲が何であるかを重要視しないことです。」

彼は結果だけにとらわれて本質を見失う誤りを警戒すべきだと強調する。他人のアイデアや技術を単純に模倣することが成功への近道だと考える風潮では、新しいものを生み出すことは難しいというのが彼の見解だ。例えば、弁理士の業務は、顧客の発明に深い関心を持たなければならず、そのためには深い学習と多くの時間の投資が必要であるが、まだ多くの人がその認識を持っていないという。彼は模倣自体を否定するわけではない。世の中に純粋な創作物は存在せず、創作はある程度の模倣を通じて成し遂げられるものであり、模倣だけを目的とした模倣ではなく、必然的で肯定的な模倣も存在すると語る。そのため、特定の技術を開発する前に、適切な特許および技術動向調査を参考にすることが非常に重要であると述べる。なぜなら、自分の中で画期的だと思っていた発明が、すでに世の中に存在する特許である可能性が高いからだ。彼は、既存の技術に無駄な時間と費用をかけ、自分の技術が素晴らしいと錯覚することは、すべての人にとって不要な浪費であると強調する。

「特許は特許法に基づいて進めなければならず、自分の努力だけで感情的に判断すると危険です。特許の権利化は、特許法の専門家のコンサルティングを受けながら完成させるべきですが、韓国では専門家のコンサルティングを無料とみなす風潮があります。特許明細書を作成するには、多くの時間と努力が必要であり、文章力や特定分野に関する深い理解と専門的な見識が求められます。専門家と十分に相談しながら発明を完成させる必要がありますが、それに伴うコンサルティング費用が正当に認められないことも少なくありません。強い特許を持つ先進国とは、まだ雰囲気が異なる部分があります。低品質な大量の特許を持つ時代から脱却するために、考えるべき点が多いのです。」

質の高いインプット（Input）があれば、質の高いアウトプット（Output）が生まれるという法則は、知的財産権においても同じである。彼は、韓国が今後先進国の技術力に追いつくためには、速度も重要だが、方向性を重視する意識の変革が必要だと語る。長所は維持しつつ、持続可能で質の高い技術のために短所を改善することが必須だという彼の言葉は、前だけを見て突き進んできた韓国社会が一息つき、より良い未来へ進むための「スタカート（staccato）」のような役割を果たしていた。